ご存じとは思いますが、質の良い睡眠は、人の脳にとって大切なエネルギー源のようなものです。毎晩少なくとも7時間の「質の高い睡眠」を常にとれていれば、さまざまな形で脳の力がアップします。

たとえば、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 創造性が向上する。
  • 頭が冴え、問題解決能力が高まる。
  • 記憶力が改善する。
  • 適切な意思決定を、スムーズに下せるようになる。
  • 集中力が高まる。
  • 最高の実績を上げられるようになる。

睡眠を最優先すべき理由

夜ふかしをして、より多くのタスクをこなせば、人に一歩先んじることができる――私も以前はそう思っていました。その後、子どもたちが産まれ、家を持ち、もろもろの責任が増えていきました。また、ビジネスが成長し、管理しなければならないクライアントの数も増えていきました。

睡眠時間はたったの5時間。毎朝目覚めるとコーヒーを3杯飲み、昼食後にはエナジードリンクで気合を入れる。こうした生活は、長く続けられるものではありませんでした。

つまり、こういうことです。最高の実績を最大限に発揮しようと考える私たちは、多くの時間を費やして、「生産性向上の達人」を自称する人たちが書いたベストセラー本を読み、ポッドキャストを聞きます。たしかに、こうした行動をするのは良いことですし、有用です。でも、こうした自己啓発の取り組みと同じくらい、「質の高い睡眠をとる」というセルフケアの習慣に力を入れないとしたら、それは意味がありません。

健康な頭脳を育み、生産性を最大化することに興味があるなら(ほとんどの人はそうだと思うのですが)、睡眠を最優先事項にするのは、譲れない一線です。

ただ、正真正銘の不眠症に悩んでいる人もいる多いかもしれません。そして、「寝る前にスマホなどの画面を見るのを避ける」「暗さや静けさを保ち、睡眠時の環境を最適化する」といった、よく聞く安眠のコツはもうやり尽くしたけれども、それでもうまく眠れない、という人もいるでしょう。

そうした場合は、睡眠の質を向上させ、ひいては認知機能を向上させるために、定番の安眠方法とは違う手を試してみるタイミングかもしれません。たとえば、以下のような方法はいかがでしょうか?

朝日を浴びることの効用

朝の時間を屋外で過ごすことは、睡眠のルーティンと関係がないように思えるかもしれませんが、実は、安眠のカギを握る習慣です。

朝に自然の光を浴びることは、体のサーカディアン(概日)リズムの制御に役立ちます。適切な時刻に眠りにつき、しっかりと休息を取ることが可能になるのです。

これは何も、私が勝手に主張している話ではありません。こうした効用を裏付ける科学的研究が、学術誌『Current Biology』にも掲載されています

朝に日の光を浴びると、自然な睡眠を促す体内時計がリセットされ、夜により良い睡眠をとる助けになるというのです。日中に浴びた自然光は、「いつ起きるべきか」「いつベッドに入るべきか」を体が判断する助けになります。目を経由して脳に入ってくる光のシグナルが、眠りを促すホルモンであるメラトニンの生成に影響を与えるのです。

科学的研究ではほかにも、朝日を体に浴びる習慣がもたらすメリットが見つかっています。

日光を浴びると、体内にビタミンDが生成され、これが骨の健康の維持や、免疫機能の制御、精神的な健康を保つのに役立ちます。こちらのメリットについては、学術誌『New England Journal of Medicine』に掲載された研究論文に記載があります。

太陽光は、気分の改善にも大いに役立ちます。太陽光を浴びると、セロトニンという神経伝達物質の生成が促されます。学術誌『The Biological Psychiatry』に掲載された論文によると、セロトニンは、気分や感情面でのウェルビーイングに関してプラスの影響を与えるとされています。

朝日を浴びる習慣をつける

より多くの朝日を浴びて、睡眠の質と量を改善したいと思った人は、これを毎日の予定に組み込んでみましょう。

最高の成果を得るには、朝起きたあと、10~20分間は屋外で過ごしましょう。ベランダでコーヒーを楽しむのも良いですし、愛犬と近所を散歩するのもおすすめです。

何らかの理由で外に出られない場合も、心配は無用です。朝食をとるテーブルや、仕事をするスペースに、太陽光を模した光を発する照明器具を置くことで、屋内でも、自然光がある環境を再現することができます。

これをさらに1ランク上げたものが、「高照度光療法」と呼ばれる療法です。これは、自宅に特別なライトボックスを設置して行う療法ですが、睡眠障害や気分障害に悩む人には大きな効果を発揮する可能性があります。

自然光とライトボックス、どちらを選んだとしても、肝心なのは、睡眠と覚醒の健康なサイクルを保つために必要な「光のシグナル」を体に与えることです。では、良い睡眠を!

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Source: Current Biology, New England Journal of Medicine, The Biological Psychiatry

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