Metaがついに詐欺広告について声明を発表するも改善案なしで「世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います」と言い訳するのみ

Metaが運営するFacebookやInstagramなどのSNSでは、前澤友作氏や堀江貴文氏といった著名人の写真を無断使用した詐欺広告が大量に配信されています。この詐欺広告について長らく口を閉ざしてたMetaが2024年4月16日(火)に「著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて」と題した日本語の声明文を公開したのですが、声明文には具体的な改善案は記されておらず、「世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います」と釈明するにとどまっています。

著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて | Metaについて
https://about.fb.com/ja/news/2024/04/our_efforts_to_combat_scams/

Meta製サービスに掲載されている広告は「広告ライブラリ」にまとめられています。広告ライブラリ内を「前澤友作」というワードで検索した結果が以下。前澤友作氏の写真とともに「無料投資教室を開きました」「お年玉10億円」などをアピールする広告が並んでいますが、これらは詐欺広告です。

「堀江貴文」というワードで検索すると、表示名を「堀江贵文」に設定した詐欺師による広告が大量に見つかりました。

前澤氏も詐欺広告の存在を認識しており、2024年3月18日(月)には「相変わらずFacebookとInstagramは酷すぎる。Meta社、いい加減こういうの取り締まれよ。画像認識で自動で排除できるでしょうに」と投稿してMetaを非難していました。

そして、2024年4月4日(木)にはフェイスブック ジャパン代表取締役の味澤将宏氏に向けて詐欺広告への対応に関する公開質問を実施しました。

前澤氏の公開質問から10日以上経過した2024年4月16日(火)に、Metaは「著名人になりすました詐欺広告に対する取り組みについて」と題した日本語の声明文を公開。しかし、声明文には「2016年以降、詐欺対策を含む安全施策に200億ドル以上を投資してきた」「Metaのポリシーでは詐欺広告を禁止している」「詐欺を根絶するために警察当局と協力している」といった内容の文面が含まれているものの、詐欺広告に対する具体的な対策案は提示されていません。

また、Metaは「世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います」と述べているほか、広告の審査チームに「日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員」を配備しているとも主張しています。しかし、問題の詐欺広告は「日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員」なら容易に詐欺と判断できると思われるため、Metaの怠慢は明らかです。

Metaは詐欺広告と弊社ポリシーに違反しない広告とを区別するために広告規定に沿って広告を審査していますが、世界中の膨大な数の広告を審査することには課題も伴います。
詐欺の手法は常に変化するため、ポリシー施行のための戦略を継続的に改善し、利用者のプライバシーも保護しながら改善された戦略を大規模に展開できるようにするために、Metaでは人による審査と自動検知を組み合わせています。施行の効果を向上させるため、次々と変わる詐欺の手法から学習したことを取り入れ新しいアプローチをテスト及び実装し、既存の施行システムに繰り返し変更を加えています。また、審査チームには日本語や日本の文化的背景、ニュアンスを理解する人員を備えています。

なお、前澤氏と堀江氏は2024年4月10日(水)に自民党本部で開催された合同勉強会に参加し、SNSの運営事業者に対する規制の必要性を訴えています。

◆フォーラム開設中
本記事に関連するフォーラムをGIGAZINE公式Discordサーバーに設置しました。誰でも自由に書き込めるので、どしどしコメントしてください！Discordアカウントを持っていない場合は、アカウント作成手順解説記事を参考にアカウントを作成してみてください！

• Discord | "どうすれば詐欺広告を撲滅できると思う？" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1230106151358693396