「腕」の筋トレ日には、多くの人が上腕二頭筋と三頭筋を鍛えます。が、前腕は鍛えていますか?

前腕の筋肉は、グリップ(握力)の強さを左右します。また、前腕を鍛えれば、腕のほかの筋肉との釣り合いがとれて、全体的に筋肉質な引き締まった見た目も手に入ります

というわけで今回は、前腕を鍛えるベストな方法をご紹介します。

前腕は、ほとんどが「リスト」と「グリップ」の筋肉

前腕には、どのような筋肉が集まっているのでしょうか。実は、指を動かす筋肉のほとんどが前腕に集まっています

たとえば、右前腕の肉厚の部分に左手を乗せた状態で、右の人差し指から小指までを小刻みに動かすと、これらの筋肉の作用が左手に伝わってくると思います。前腕には、これらの筋肉と指をつなぐ長い腱があるためです。

もし、これらの筋肉が指の近くにあったら、どうなるでしょう。筋肉が手のひらと手の甲に集中しすぎてしまい、物を手に取るなどのシンプルな動作が、とても行ないづらくなるのです。

前腕にはたくさんの筋肉が、それぞれ異なる目的で集まっています。その主なグループ(筋群)をいくつかご紹介しましょう。

  • 指をまっすぐに伸ばすための手指伸筋:前腕の裏側にある。
  • 指を丸めるための手指屈筋:前腕の下側にある。
  • 手首をまっすぐに伸ばしたり、後ろに曲げたりするための手関節伸筋:前腕の裏側、手指伸筋の近くにある。
  • 手首を前に曲げる手関節屈筋:手指屈筋の近くにある。
  • 前腕と手のひらを上または下に向けるための回外筋と回内筋:二頭筋は上腕にある回外筋。二頭筋の鍛え方は、こちらの記事(英語)をチェック。
  • 前腕の上外側にある大きな回内筋が腕橈骨筋(わんとうこつきん):前腕を強く大きく見せたい人は、この腕橈骨筋のトレーニングに注力すること。

以上を踏まえると、前腕のトレーニングは、次の3つのグループに大きく分けることができます。

  1. 指と手首の屈曲運動
  2. 指と手首の伸展運動
  3. 回内運動(前腕と手のひらを下に向ける。または、下に向けた状態をキープする)

それでは、前腕の各筋肉のベストな鍛え方をいくつか見ていきましょう。

1. 前腕の下側/内側のベストな鍛え方:フィンガーカールとリストカール

リストカールにも、フィンガーカールにも、いろいろな実践方法があります。そして、これら2つを同じワークアウトにまとめる便利な方法もあります。

指を曲げて、次に手首を曲げれば、これら2つを同じレップにまとめることもできます。これのポピュラーな方法の1つは、座った状態で行なうリスト&フィンガーカールです。

上の動画で紹介されているように、膝の上に前腕を乗せた状態でこれを行ないます。使うのは、バーベルでもダンベルでも、どちらでもOKです。

私が好きなのは、立った状態でバーベルを使って、フィンガーカールのあとにリストカールを1つずつ行なう方法です。

まず逆手(アンダーハンドグリップ)でバーベルを持ち、まずフィンガーカールからやります。バーを指先に向けてゆっくり転がしてから、拳を握りしめます。これを数レップ繰り返します。

そのあと、リストカールに移ります。フィンガーカールを終えたときのポジションから、バーを握ったままの状態で手首を曲げます。原理はバイセップカールと同じ。違いは、肘の代わりに手首を曲げるところです。

前腕上部のベストな鍛え方:リバース・リストカール

先述の動作を逆向きに行なえば、前腕の逆側の筋肉が鍛えられます。

立った状態で手のひらは自分の方向に向けて行なっても、座った状態で手のひらを下に向けて行なってもOK。肘を曲げないで、手の甲を天井に向かって上げます

これで鍛えられるのは手関節伸筋だけで、手指伸筋には効きません。なので、手指伸筋も鍛えたい人は、ゴムバンドを使って鍛えましょう(ゴムバンドを持っていなければ、ハンドエクササイズ専用のセットを買ってもいいでしょう)。

次のページ>>
次は「腕橈骨筋」の効率的な鍛え方!
12