メモ

政府が令状なしで国民を監視できる法律にバイデン大統領が署名


「政府がアメリカ国内の外国人を監視することを認める」法律・外国情報監視法第702条(FISA)が2024年4月19日で失効したのに代わり、監視対象を拡大した修正案(RISAA)が下院、上院を通過し、バイデン大統領による署名が行われました。RISAAの有効期限は2年間となっています。

Bill Signed: H.R. 7888 | The White House
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2024/04/20/bill-signed-h-r-7888/


US Senate votes to reauthorize surveillance program, Biden to sign swiftly | Reuters
https://www.reuters.com/world/us/us-senate-has-agreement-fisa-reauthorization-will-vote-friday-night-schumer-says-2024-04-20/


Senate passes bill renewing key FISA surveillance power moments after it expires
https://www.nbcnews.com/politics/congress/senate-renews-fisa-section-702-spying-privacy-rcna148394

Biden signs bill to reauthorize FISA warrantless surveillance program for two more years
https://www.engadget.com/biden-signs-bill-to-reauthorize-fisa-warrantless-surveillance-program-for-two-more-years-153817277.html

FISAは、テロやスパイ活動の兆候を探るために、アメリカ国内にいる外国人の活動を監視することを許可した法律です。


2024年4月19日に法律が失効するにあたり、代わりとなる修正案(RISAA)が提出されたのですが、FISAよりも政府側の権限が拡大され、また、外国人だけではなくアメリカ人も対象に含まれプライバシー保護に懸念があることから、強い反対意見が出ていました。

しかし、法案はそのまま下院を通過。

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上院でも、法案の修正を求めて激しい議論が巻き起こりました。

たとえば、民主党のロン・ワイデン議員は反対票を投じた上で「議会はRISAAの承認を強行するため23時まで粘りました。しかし私は諦めません。アメリカ国民は、改革は可能であり、安全保障を得るために自由を犠牲にする必要はないということを知っています。(監視対象からアメリカ人を除外する)改正案が多くの支持を得たことから明らかなのは、上院議員たちは、目の前の改正案がどれだけ常識的なものだとしても、法案を下院に送り返すのを嫌がったということです」という声明を発表しました。

また、声明では「改革に反対する人々は、自分たちの一時しのぎの法改正が人権侵害を抑制すると約束しますが、そのたびに国民は、ほぼ無監督状態の役人によって新たな人権侵害が行われていることを知るのです。自由と安全は相互に排他的ではないと信じる私たちには、やるべきことがたくさんあります」とも述べています。

Wyden Statement on Reauthorization of FISA 702 Without Reforms to Warrantless Surveillance of Americans | U.S. Senator Ron Wyden of Oregon
https://www.wyden.senate.gov/news/press-releases/wyden-statement-on-reauthorization-of-fisa-702-without-reforms-to-warrantless-surveillance-of-americans

ワイデン議員らの反対もむなしく、RISAAは賛成60票、反対34票で可決されました。上院情報委員会で委員長を務めるマーク・ワーナー上院議員は「RISAAはアメリカの諜報機関にとって必要不可欠」と述べ、メリック・ガーランド司法長官も同じく「欠かせない法律」と表現しています。

RISAAはただちにバイデン大統領の下に送られ、署名が行われました。

RISAAの期限は「2年間」となっており、2026年4月ごろに、また同様の議論が巻き起こることになるとみられます。

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in メモ, Posted by logc_nt

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