あの大谷翔平選手でも自信を失いかけたことがある。ジャーナリストの桑原晃弥さんの書籍『圧倒的な力で世界を切り拓く 大谷翔平の言葉』(リベラル社)より、メジャー1年目に自信を失いかけたときのエピソードをお届けする――。

「悔しい思い」をバネにしてきた

悔しいなっていう思いが今年のモチベーションかなと思います。(『ルポ 大谷翔平 日本メディアが知らない「リアル二刀流」の真実』朝日新聞出版)

大谷翔平はケガや手術のために思い通りの活躍ができなかったシーズンを何度か経験しています。

日本ハムでの4年目にはチームを日本一に導いたものの、日本ハム最後の年となった5年目にはケガの影響から活躍できず、「申し訳ない」という思いを口にしています。

メジャーリーグに移籍してからも1年目は新人王を獲得したものの、2年目と3年目はトミー・ジョン手術の影響もあり、数字的には苦戦しています。

2021年、3年目のシーズンオフを、大谷はチームが与えてくれた「二刀流のラストチャンス」と受け止め、2年間の悔しい思いを胸にシーズンに臨むことで、МVPを獲得するほどの大活躍をします。

「悔しさ」が勝利へのモチベーションに

リトルリーグ時代、大谷は全国大会への出場を目指したものの、小学校時代は果たせず、ラストチャンスの中学1年生で岩手県内の大会と、東北大会を勝ち抜いて出場を決めています。

18のアウトのうち、17の三振を奪う活躍をしていますが、それを可能にしたのは、それまでの「負けた悔しい思い」があったからだと振り返っています。

大谷にとって「悔しさ」は勝利や成長への大きなモチベーションなのです。

暗い部屋でうつ状態のアジア人男性
写真=iStock.com/mapo
「悔しさ」が勝利へのモチベーションに(※写真はイメージです)