今朝、ひさしぶりにランニングをしたのですが、数分間走っただけで、無性に脚がかゆくなりました。そして、そういえば、いつもそうだったということを思い出したのです。

みなさんもそんな経験があるかもしれませんが、心配はいりません。

走ると脚がかゆくなったり、体のあちこちにかゆみを覚えたりするのは、驚くほどよくあることなのです。幸い、こうしたかゆみは時間とともに治まることがほとんど。

今回、この記事で取り上げるかゆみは、全般的な体のかゆみについてです(じんましんや、特定の場所に出る発疹は除きます)。

また、ランニングをはじめたばかりだったり、しばらく休んだあとに再開したりすると、症状がひどくなる傾向があります。

走るとかゆくなるのはなぜ?

満足していただける答えではないでしょうが、走るとかゆみを感じる原因は、科学的にはっきりとはわかっていません。以下では、有力な説を挙げましょう。

血管の拡張

ランニングすると、血管が拡張し、より多くの血液が運ばれます(筋肉を動かしたり、皮膚の体温調節を助けたりするためです)。そのせいで、かゆみを感じたり、チクチクした感じがしたりするのかもしれません。

時間とともに、体がかゆみの感覚に慣れたり、必要に応じて血管がうまく拡張するようになったりします。

ヒスタミン

体を動かすと、ヒスタミンが放出されます。特に、激しい運動をする時には顕著です。

体がヒスタミンを放出するのは、血管を拡張しやすくして、機敏に動き続けられるようにするためと考えられています。

ところが、ヒスタミンはアレルギー反応にも関係しているため、副次的な影響としてかゆみを起こす可能性があるのです。

振動

振動がかゆみを引き起こし得ることは、全身に刺激を与える「振動マシン」を使った研究からもわかっています

走ることにより、一足ごとの衝撃が皮膚を揺らし、振動マシンと同じような効果を起こしているのかもしれません。

肌のコンディション

衣服や化学物質(新しい洗剤など)による皮膚炎や、乾燥肌をはじめとする肌の状態などが原因の可能性もあります。

個人的に、そうではないかなと感じるのは、振動が原因であるという説です。

なぜなら私の場合、ランニングからウォーキングに切り替えると、かゆみは数分以内に治まるからです。負荷をかける「パワーウォーキング」で坂道を上るときもそうです。心拍数はランニングと同じくらいであっても、かゆみは消えます。

ともあれ理由については専門家に委ねようと思います。ランナーにとって重要なのは、かゆみに対処する方法を見つけることですから。

かゆみには、もっと深刻な原因がある場合も

皮膚が盛り上がっているところがかゆかったり、舌が腫れる、呼吸が苦しいなどアナフィラキシーの症状があったりする場合は、これまで説明してきたこととは状況が異なります。

呼吸が苦しかったり、「深刻なアレルギー反応が出ているかもしれない」と思うときは、すぐ救急車を呼んでください。運動によって、命にかかわるアナフィラキシーの症状が出る場合があるのです。

蕁麻疹も、体を動かしているときに出ることがあります。またそれとは別に、運動だけでなく、暑さやストレスでも蕁麻疹が出ることも。

かゆみを起こさない、症状を軽くするためには

かゆみを経験してもなお、走ることを楽しんでいるランナーは大勢います。彼らに聞くと、「毎回かゆくなるわけではない」と言うでしょう。走るという新しい習慣に体が慣れれば、かゆみはなくなることが多いのです。

私の経験も同じです。ひさしぶりにランニングを再開して1~2週間は、体にあらゆる不調や違和感を覚えます。肌がかゆくなったり、すねが痛くなったりすることだってあるのです。

私は「それが永遠に続くわけではない、今日はそう感じるだけだ」と自分に言い聞かせるようにしています。不調を感じたときは、以下のことを試してみてください。

ウォーミングアップに時間をかける

最初に5分くらい歩いてから、ランニングをはじめてもいいと思います。

ウォーミングアップのエクササイズをしたいなら、「エアスクワット」や、その場でやる「腿上げランニング」を取り入れるのもおすすめ。

ウォーミングアップを念入りにやることで、かゆみが軽減される人もいます。

水分をたくさん取る

水分を取ることで、拡張した血管を調節しやすくなるかもしれません。

いずれにせよ、適切な量の水分を取るよう心がけて損はありません。特に、長距離を走るときや、暑いなかを走るときは、水分補給に注意しましょう。

スピードを落としてウォーキングにする

ランニングの習慣を再開する際に優先すべきは、ウォーキングと比べてどれだけ速く走るかや、どれだけ長く走るかではありません。目指すのは、ランニングをしっかり習慣づけることです。

かゆみが治まるまでは歩き、そのあと、もう少し走れそうだと思ったらランニングするといいでしょう。

皮膚炎にしっかり対処

皮膚炎はできるだけ治し、よく保湿してください。

また、やわらかくて着心地の良い服を着ましょう。新しい洗剤を試すのは、まだやめてください。

私は今日のランニングで、「スピードを落としてウォーキングにする」作戦に終始しました。呼吸も、脚の調子も良かったのですが、かゆみがひどくて走り続けられなかったのです。

いちばん大切なのは、気分良く走り終えて(歩き終えて、でもいいですが)、また走りたいと思うことだ」と自分を納得させました。

今日は合計してみると、走るつもりだった距離の半分も走れていません(もともと走るつもりだった距離も短かかったのですが)。けれども、次に走るときは、おそらくかゆみは少し和らいでいるはずです。

そしてすぐに、かゆみが問題だったことすら忘れてしまうでしょう。

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Source: PubMed