歳を重ねたら、どんな話をするといいか。医師の和田秀樹さんは「歳を重ねてもはつらつとして若々しい人の特徴は、とにかく質問好きだ。それは興味、関心を司る前頭葉が活性化している証拠でもある。経営の神様といわれた、パナソニックの創業者・松下幸之助さんも相手が自分の孫ほどの年齢でも屈託なく、とにかく周りの人に質問したそうだ。老人は、知っていることも知らないふりをして質問するくらいが、ちょうどいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

人と仲良くなりたいなら、アノ話はやめよう

歳をとって醜いとされることの1つに「自慢話が多くなる」があります。

とくに日本人は過去に生きているのか、と感じるほど、過去の自慢話が大好きです。

学歴自慢はまさにそれ。

「東大では……」
「灘高のやつらって……」
「大学院まで行ったので……」

学歴をひそかに自慢に思っているのか、関係ない雑談の端々はしばしにもさりげなく、出身校を入れ込んでくる方が数多くいます。

お酒が入ると「昔は女性にモテた」「男性からしょっちゅう声をかけられた」と昔モテた自慢をされる方も本当に多い。

あるいは「以前は大手商社にいた」「どこそこまでの役職を経験した」とすでに定年しているのに、過去のトロフィーを見せびらかすシニアの方も実によく見かけます。

もみ手をしながら話を聞く男性
写真=iStock.com/webphotographeer
※写真はイメージです

こうした過去の自慢話は、聞かされるほうは苦痛でしかありません。

何かしら教訓めいた話があるならまだしも、たいていは、教訓や何かを教えるふりをして「自分はすごいやつだった」と自慢することが目的であるからです。

もとより、今のように世の中が成熟し、複雑化した中で、過去のノウハウがそのまま活きることは少ない。

そうした自慢話する相手と「仲良くなりたい」とは思われないでしょう。