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仮想通貨取引所「Binance」のコンプライアンス責任者がナイジェリアでの逮捕直前に政府関係者から約1億5000万ドルの賄賂を要求されていたことが明らかに


大手仮想通貨取引所・Binanceでコンプライアンス責任者を務めるティグラン・ガンバリャン氏は2024年2月にナイジェリアを訪れた際、ナイジェリア当局によって突然逮捕されました。逮捕直前の2024年1月には、ガンバリャン氏らの元に「Binanceはナイジェリア政府に約1億5000万ドル(約230億円)分の仮想通貨を48時間以内に支払うこと」との要求があったことが報告されています。

From Richard Teng, Binance CEO: Tigran Gambaryan is Innocent and Must Be Released | Binance Blog
https://www.binance.com/en/blog/leadership/from-richard-teng-binance-ceo-tigran-gambaryan-is-innocent-and-must-be-released-3634612934164622056


Behind Nigeria’s Arrest of Binance Employee, Claims of a Bribe Request - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/05/07/technology/binance-nigeria-tigran-gambaryan.html

2024年2月にナイジェリアを訪れたガンバリャン氏と同僚のナディーム・アンジャルワラ氏はナイジェリア当局に逮捕されました。その後、ガンバリャン氏は2024年4月8日に政府施設からナイジェリアの首都・アブジャにあるクジェ刑務所に移り、4週間にわたり拘禁されることになりました。なお、アンジャルワラ氏は拘禁直前の2024年3月23日に国外逃亡しています。


ナイジェリア当局によると、ガンバリャン氏はBinanceの脱税とマネーロンダリングに関与した疑いがあるとのこと。ナイジェリア国家安全保障担当補佐官のザカリ・ミジンヤワ報道官は「ナイジェリア政府は適正な手続きに従って、事実と証拠に基づいて立証します」と述べています。

一方でBinanceのリチャード・テンCEOは「ガンバリャン氏はかつてアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)の特別捜査官として金融犯罪との戦いに人生をささげてきました」と述べ、「ガンバリャン氏がBinanceにおける脱税などの意思決定権を持っていた」というナイジェリア当局の主張を否定しています。またテンCEOは「ナイジェリア政府は無実の従業員を強制的に拘束し、危険な刑務所に入れることで、Binanceを支配できると思っているようです」と批判しました。


Binanceをめぐっては、2023年にナイジェリアの金融規制当局がBinanceに対し、ナイジェリアでの投資家の勧誘を停止するよう指示する声明を発表。これを受けてBinanceはナイジェリア国内での広告の出稿を停止し、政府関係者との会談を実施しました。しかし、ナイジェリア当局は「Binanceでの仮想通貨の取引が同国の通貨であるナイラの暴落に関連している」と主張し、2023年12月にナイジェリア下院の委員会はBinanceの代表者に対し公聴会に出頭するよう求めていました。

2024年1月8日に実施されたナイジェリア議会議員とガンバリャン氏を含むBinacneの従業員グループとの会議では、「テンCEOの逮捕状を請求する」などの脅しがあったことをBinacneが明かしています。

会議後にはテンCEOの弁護士に対し、下院委員会の代理人を名乗る人物が「疑惑解消のために48時間以内に約1億5000万ドル分の仮想通貨を支払うこと」を要求しました。これを受けテンCEOは「私たちは弁護士を通じてこの支払い要求を拒否しました。当社は正当な和解の申し出だとは見なしていません」と述べています。


Binanceによると、ナイジェリア政府に深いつながりを持つある企業の顧問が「Binanceの幹部がナイジェリアの国家安全保障顧問事務所を訪れると一連の問題が解決する」と伝えてきたとのこと。そのため、2024年2月26日にガンバリャン氏とアンジャルワラ氏はナイジェリアを訪れていたというわけです。

ガンバリャン氏とアンジャルワラ氏に対し、ナイジェリアの当局者は、ナイジェリアのBinanceユーザーに関する詳細な情報を提供するよう要求し、両氏はこの要求に応えることを拒否しました。

ナイジェリアの金融犯罪当局は同国のアメリカ大使館に対し「ガンバリャン氏は現在、我々のチームと非常に建設的な話し合いを行っています。我々は、ガンバリャン氏がこの話し合いに積極的に参加していることを保証します」と伝えました。


テンCEOは「私たちはガンバリャン氏を解放するためにできる限りのことをし続けます。この信念は揺らぎません」と宣言しています。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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