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海賊版サイトがブロッキングされたとき人はどれくらい回避策を講じているのか?という調査結果を専門機関が発表


著作権侵害の疑いがある海賊版コンテンツへの対策として、海賊版サイトへアクセスできなくしたり、Google検索の検索結果で上位に表示されなくしたりといったブロッキングによる対策が進んでいます。フランスの著作権侵害対策機関であるArcomは、インターネットユーザーがどのようにブロッキングを回避しているか、サイトのブロックに直面したときユーザーの何割が回避策を講じるかなどの調査結果を公開しています。

(PDFファイル)USAGE DES OUTILS DE SÉCURISATION D’INTERNET À DES FINS D’ACCÈS ILLICITES AUX BIENS DÉMATÉRIALISÉS | Arcom
https://www.arcom.fr/sites/default/files/2024-04/Arcom-Usage-des-outils-de-securisation-Internet-a-des-fins-acces-illicites-aux-biens-dematerialises-Rapport-etude-qualitative-et-quantitative-avril-2024.pdf

Pirate Site Blocking Agency Reveals How and Why Pirates Circumvent Blocking * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/pirate-site-blocking-agency-reveals-how-and-why-pirates-circumvent-blocking-240503/


海賊版サイトのドメインをブロックすることは、海賊版対策として即時的で効果的な方法だと考えられています。Googleは、著作権侵害の疑いがあるサイトやドメインを検索結果に表示しないため、ユーザーはドメインがブロックされた海賊版サイトにアクセスすることが難しくなります。Googleは2022年だけで約6億8000万件にものぼる「著作権侵害の疑いがあるコンテンツ」を検索結果から排除したことを報告しており、そのうち半数近くは一度も表示されることなくブロックされています。

Googleが2022年に著作権侵害でブロックしたURLは6億8000万件以上、半数近くが一度も表示されることなくブロックされている - GIGAZINE


2022年1月に発足した視聴覚およびデジタル通信規制局(Arcom)は、サイトブロッキングなどを監督するフランスの著作権侵害対策機関で、海賊行為の状況をより深く理解することを目的とした研究も実施しています。Arcomは2024年4月末に「デジタル商品への不正アクセスを目的としたインターネットセキュリティツールの使用」というレポートを発表し、海賊版ブロックに対するユーザーの反応についてまとめています。

レポートによると、15歳以上のフランスのインターネットユーザーのうち約4分の1となる23%が「海賊版サイトのブロックを回避する方法として、DNS設定の変更が有用であることを知っている」と回答したそうです。約27%はDNS設定の変更については知っているもののどのように有効かは知らず、約半数がDNSの存在もあまり認識していないとのこと。

また、仮想プライベートネットワーク(VPN)もサイトブロッキングの回避としてしばしば用いられます。VPNについては42%が「過去に使ったことがある」と回答しているほか、81%が「VPNという言葉を大まかに理解している」と答えています。一方で「VPNが何のためにあるのかを知らない」と回答したユーザーは32%いましたが、「DNSよりはVPNがよりインターネットユーザーに知られています」とArcomは結論付けました。


総合して、フランスのインターネットユーザーのうち35%が2023年の1年間でDNS設定を変更したりVPNを導入したりして、ブロッキングの回避を実施したとArcomのレポートで示されました。一方で、「2023年の1年で海賊版コンテンツを入手した」と回答したユーザーは24%だったため、DNS設定の変更やVPNの使用は海賊版へのアクセス以外にも用いられているとArcomは指摘しています。 VPNまたはDNSユーザー全体のうち、66%がその目的として「違法行為が含まれている」と回答し、56%が「オンラインリスクからの保護」を挙げています。

また、VPNの使用に違法行為を含むと認識しているユーザーは、「コストではなくオファーの問題を挙げて行為を正当化しています」とArcomは指摘しています。VPNユーザーの55%は使用の理由に「匿名性」を挙げており、46%は「フランスでは利用できないサイトにアクセスするため」と回答しています。「ブロックされている違法サイトにアクセスできるようにするため」と回答したのは14%のみで、VPNユーザーのほとんどが海賊版へのアクセスを目的としていないことが示されました。

Arcomは最後に、各ブラウザにおけるVPNまたはDNSの利用者割合をまとめています。グラフによると、Operaはブラウザの使用率としては全体の3%程度ですが、OperaはデフォルトでVPN機能が付いていることから、VPNまたはDNSユーザーの割合はOperaが最も高くなっていることがわかります

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in ネットサービス, Posted by log1e_dh

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