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※本稿は、津田建二『エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
なぜ日本の半導体産業は世界で存在感を失ったのか
エヌビディアの躍進について理解するには、それとはまったく逆の方向に進んでしまった日本の半導体企業と比較してみるとよくわかる。
エヌビディアが大きく飛躍した一方で、日本の半導体産業の市場シェアは下降線を辿るばかりだ。
資料1は、米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)の資料によるものだが、横軸は年代、縦軸は市場シェアを表している。国と地域別の半導体産業の市場シェアを最大100%として相対的に示している。
日本を本社とする半導体メーカー、つまり日本の半導体産業のシェアは1988年をピークにして一貫して下降曲線を描いてきた。一方、韓国、台湾、中国はシェアを高めており、米国は圧倒的に大きなシェアを維持している。それに対して現在、日本は9%まで落ちている。
資料2のグラフは、世界の半導体市場を表すWSTSの数字をプロットしたものだ。このグラフを見る限り、半導体市場自体は着実に成長していることがわかる。
しかし、世界の半導体市場は成長し続けているにもかかわらず、日本の半導体市場だけはまったく成長せず止まっていることもわかる。
なぜこのようなことが起きたのか。